『会いたい絵本』
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『会いたい絵本』

こんにちは!《聞かせ屋。けいたろう》です。
2021年12月に出版される絵本のことを話します。
自分の考えたお話が絵本になるのは、3年ぶりです。今回から6回にわたって、絵本『あいたい あいたい あいうえお』ができるまでのお話しをしたいと思います。

2020年の夏、僕は本好きが集う会に参加しました。当時ようやく慣れ始めた、リモートでの開催でした。
「お久しぶり!」なんて言葉から始まり、好きな絵本の話、日々のことについて話しました。その中で「産まれた孫に会いたくても、会いに行けない」という話が印象に残りました。
会の終盤に誰かが、「こういう状況の今、読みたい絵本ってどんな絵本?」と皆に問いかけました。すると別の誰かが、「今だからこそ『何も起こらないような日常』を描いた絵本が読みたい」と言いました。
今や失われてしまった“会いたいと思った時に、“会いに行ける日常” “シンプルで、何だか嬉しくなっちゃうような絵本”、僕はそんな絵本を読みたいなぁと思いました。そういう絵本が、本屋さんに並んでいたら嬉しい。そしてそれを、自分が作れないだろうか? と考えて、その場でアイデアを紙に書き出しました。

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<あいたい、あいたい……あいうえお(笑)>お、これは良いかも!と思い、
<かきます てがみを かきくけこ>と続けました。「これは、一冊うまいこと出来るんじゃないか!?」と思いました。<さしだす てがみを さしすせそ……>いや、手紙は書きますだよな。<さします>だと、傘かな……? <たちつてと>は何かな? <なきたい きもちで なきくけこ?> なんて考えましたが、「あかさたな作戦」は、しばらく考えてもなんだかうまくいかず。
それよりも思ったのは、「あいたい」「あえない」「あおうよ」「あなたに いますぐ」「あえたら いいのに」「あしたも いっしょに」……。言葉を並べると、なんだか「あいうえお」がいっぱいだったのです。
そこで、思いついたのが『あいたい きもちが あいうえお』というタイトルでした。
「あ、か、さ、た、な……」を順番に使って、ストーリーを進行するのは、 「あいうえお」を沢山使って、「会いたい気持ち」を目一杯感じられる絵本が良いのではないかと思ったのです。

こうして始まった『あいたい絵本』作りでしたが、最初は大苦戦!
当時の文章は、こんな具合でした。

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あなたに いますぐ あいうえお
あえたら いいのに あいうえお
あえます? あえます? あいうえお
あおうよ いますぐ あいうえお

お互いに会いたいと思っている二人が離れた場所で、思いを募らせているのですが……うーん、何だか変に大人っぽいし、中途半端な詩の本のようになっていますね(笑)。
この段階で編集者さんに見てもらっていますが、
「うーん、ちょっと難解かも……」という反応でした。ここから、編集者さんの客観的な視点を加えつつ、出版レベルの絵本に仕立てて行くという作業が始まります。
確かに冷静に見てみると会いたい二人が会う絵本ということ以外は、結局何も内容が無かったのです! 面白味も盛り上がりも無く、この話の何が面白いのか? という所からのスタートでした(笑)。
でも、この内容は絵本になるという自信はあったのです。その自信がどこから来るのかは不明ですが、思ったら書き出してみるというのは大切だと思います。頭の中で思うだけなく、紙にアウトプットしてみる。するとどんどん筆が進んで、新しいことを思いついて、興奮してまた筆が進んで…と、そんな風にして僕の文章は広がって行きます。


(次回へ続く)


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