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聞かせて!けいたろう 第11回 みなさんからの質問に答えます Part3 ~おとなになったら、また絵本?~

みなさんからいただいた質問に答える第三弾! けいたろうさんが質問にお答えするのは、これがラストです。たくさんの質問をお寄せいただき、どうもありがとうございました。 質問のなかに、「おとなにもおすすめの絵本を教えて!」というリクエストが何件もありましたので、けいたろうさんに聞いてみましたよ!

僕は小さい頃、絵本に囲まれて育ったかというと…そうではありません。家にあった絵本は4冊。幼稚園には一年しか通っていないので、読み聞かせの思い出もほぼ無いのです。
絵本との出会いは、保育者養成の短期大学でした。授業の中で絵本を読んでくれる先生方。「おとなでも、絵本を読んでもらうのは楽しい!」そう気付きました。「懐かしい」ではなく「映画を観るような面白さ」がそこにあると感じました。そして僕は夜の路上でおとなへの読み聞かせを始めました。でも、おとな向けに絵本を読む場は、そこだけではありませんでした。

読み聞かせの活動を始めた頃「読ませてください!」と飛び込んだのは、実家の近くの老人ホームでした。事前の告知もして頂き、絵本を抱えて伺うと、目の前には人生の先輩方がずらり!正直、何を読もうか迷っていましたが、昔話を中心に選んで行きました。なかでも人気だったのは『十二支のはじまり』でした。

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『いたずらデイジーのゆかいなえほん ちゃんとたべなさい』
文:ケス・グレイ/絵:ニック・シャラット/訳:よしがみきょうた
(小峰書店刊)

なぜ十二支があの順に並んでいるのか、なるほど納得のお話です。「なるほど!」という感情は、おとな向けに絵本を選ぶ際におすすめのポイントです。皆さん、「知らない事を知りたい」という知識欲があるのでしょうか。読み終えた時に「おぉ〜」という声と納得の拍手が聞こえて来ました。
ただ、老人ホームでのイベント終了後に気になる事も聞きました。「皆さんに絵本を読んでくれる方が来ます」と告知をしたところ、利用者さんの中に「絵本だって?私らは子どもじゃないんだから!」という声があったと。その方は結局、会には参加されなかったそうです。
僕は、ドキッとしました。[絵本=子どもの本]という認識があるのは、当然だと思います。僕は、自身の体験から[絵本=おとなも楽しめる本]と思っていましたが、その頃は[おとなに絵本を]という風潮も、まだありませんでした。これから自分が活動を通して、広げて行くしかないと思いました。

また、子どもへの読み聞かせだけでなく、おとな向けの読み聞かせ講座の講師も、つとめさせて頂いています。おとな向けには、老人ホームでの経験から、襟を正してしっかり挨拶をする事、「おとなに絵本を」という僕の思いをしっかり伝える事を心がけています。そして、決して上からの読み聞かせにならないように。

「読み聞かせ」という言葉が「聞かせる」「聞かせてやる」という印象になりがちな事から「読み語り」という言葉を使う方もいます。また、絵本が素晴らしいものであるために、自分の読み聞かせが素晴らしいのだと、錯覚してしまう事があります。
子どもに対して読む際は自分が年上でありますし、子どもたちは自分を見上げるように座ります。なので、子どもに対しては上からの読み聞かせにならないように、特に気を付けるように僕はしています。
助産院などで、妊婦さんに向けて絵本を読んだ事もあります。皆さん大きなお腹を触ったり、撫でたりしながら絵本を味わい、僕の声に耳を傾けてくれます。あの何とも言えない穏やかな雰囲気は、ちょっと特別です。一番喜んで頂けたのは、『うみ』という絵本です。

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『うみ』文:中川ひろたか/絵:はたこうしろう(自由国民社刊)

“「海」という かんじのなかには 「母」がいる。
フランスごでは ははも うみも
ラメールと いうんだって。“        
(以上、『うみ』(自由国民社刊)より引用)

妊婦さんのお腹は母なる海なのではないか、と思いを巡らせる素敵すぎる絵本です。目の前の妊婦さんが目を潤ませ、助産師さんが「絶対買います!」と言う名作。思えば、お腹にいる赤ちゃんと一緒に絵本を味わえる時期は、一年もありませんね。
その時、その瞬間に確かに響く絵本があって、それは齢や経験を重ねる事で変わっていくのかもしれません。素敵ですね。
ですから僕は「子どもに絵本を」「おとなにも絵本を」と思い、今も読み続けています。

おとなにこんな絵本もオススメ!

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『あなたのことが だいすき』文・絵:えがしらみちこ/原案:西原理恵子(KADOKAWA刊)

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ママのしんどさや葛藤が、ページをめくる度に伝わって来る。そして、それらを越える喜びが必ず伝わって来る絵本です。僕はママではないですが、読み返す度に目が潤んでしまう。そして、今を大事にしようと改めて思うのです。


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