聞かせて!けいたろう 第7回 新春スペシャル! 聞かせ屋。けいたろう × accototo 対談 ~前編~
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聞かせて!けいたろう 第7回 新春スペシャル! 聞かせ屋。けいたろう × accototo 対談 ~前編~

今回は特別企画! けいたろうさん憧れの絵本作家さん、accototo(アッコトト)さんとのオンライン対談をおおくりします。絵本の制作秘話や、プライベートなことまで大盛り上がり。前編と後編の2回にわけてお送りします。

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聞かせ屋。けいたろうさん(以下、けいたろう):絵本を制作される様子をイベントで拝見したのですが、紙の色をつくるのがあきこさん、紙を切って貼り、原画をつくるのがとしおさんと、作業を分けられているのですね。お話を考えるのは、どちらの場合が多いですか?

ふくだあきこさん(以下、あきこ):一緒にやっています。

ふくだとしおさん(以下、としお):ひとつの机で話し合いながら進める場合と、それぞれが別々に考えて、見せあう場合もあります。

けいたろう:テーマを決めて、それぞれが考えてくるのですか? それで、時間がたつと「せーの!」って見せ合う?

あきこ&としお:そうそうそう。3日後とか1週間後とか。

けいたろう:絵本のテーマはどのように決めるのですか?

としお:いまのところ出版社から提案されることが多いです。自分たちで作りたいなと思ったり、子どもと遊んでいるなかで生まれたりするアイデアは、ネタ帳に書いてストックしています。時間のあいたときに描いて、出版社さんに持っていこうかな? と思っているんです。

けいたろう:そんなに みないで くださいな』 (KADOKAWA刊)には、どんなテーマがあったのですか?

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あきこ:この本は、“おとうさんが読み聞かせをする本”というテーマがひとつあって。

としお:読み聞かせが苦手なお父さんにも読みやすい本にしたいという。遊びの要素を入れていくかんじにしようと考えて。動物って丸まっているのがいますよね。ダンゴムシだったら丸まって隠れているとか、ヘビがとぐろを巻いて隠れているとか。動物やダンゴムシやヘビが丸まって、はずかしそうにしているのが思い浮かんだ。それで、隠れたりする動植物は何かいるかな?って書き出していって。でも動物ばっかりになるんです。そうすると、動物の生態みたいなかんじになるんですね。それじゃあおもしろくないなって。それでちょっとイレギュラーなものを入れて。マトリョーシカだったり、ピーマンだったり。それでおもしろおかしくしようと思って。

けいたろう:タイトルも抜群にいいですよね! 読み上げただけで子どもが喜ぶタイトルだなって思います。

としお:タイトルは『なにみてるの?』とかそういうかんじのものを仮でつけていたんです。当時小学校6年生の長女が絵本のラフ(大まかなイメージ案)を見ていて「そんなにみないでくださいな」ってボソッと言ったんです。それで「あ、このフレーズいいな」って(笑)。それをそのままタイトルにしました。

けいたろう:子どもが繰り返したくなるフレーズって、やっぱり子どもから出ているんですね~。

としお:そうですよね。子どもがボソッと言うことって、ヒントになりますね。子どもができる前は「ただおもしろい」っていうよりも、そのなかになにかひとつテーマを決めて作りたいというのがあったんです。いまは子どもが生まれて、「ただ楽しい」というのも遊びのツールとしていいんじゃないかと。

けいたろう:お子さんからアイデアをひろうものってありますか?

あきこ:『あるこう あるこう あるこうよ』という本がありますが、あれも長女が何気なく言った言葉なんです。長女が、まだ赤ちゃんだった真ん中の子をあやしているときに、何気なく言った言葉なんです。

けいたろう:お子さんの成長とダイレクトにつながっているんですね! 『あいうえ おりょうり めしあがれ』 (イースト・プレス刊)などのことばの絵本は今までの絵本とテイストがちがうなって思うのですが。

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あきこ:ことばは、ふたりの会話の中でうまれるんです。

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としお:言葉をもじったものが好きで。あと、しかけがすきなところもあって。

けいたろう:『くらべてごらん』のしかけ絵本シリーズも同時に作られたんですか?

あきこ:『のぞいてごらん』ていう穴のあいた絵本が最初で。そのあと「おなじ大きさでで「~~ごらん」という本を作りませんか?」と編集者に言われてシリーズを考えていったんです。

としお:『~~ごらん』シリーズのあとに『あいすくりーむにありをのせたらあいうえお』もあるんですよね。それの続編が『あいうえ おりょうり めしあがれ』になります。

けいたろう:作品に連続性があるんですね。

としお:絵本を作っているときに「次はこんなおもしろいのできるなあ」と気づいたときにアイデアを描いておいて。流れていくかんじですかね。ひとつ作って、終わって。また作って。ひとつ作ったことによって次の流れができていくというか。

けいたろう:デビュー作の『うしろにいるのだあれ』(幻冬舎刊)は、子どもたちが知らない動物をあえて出して、親子の「これなんだろうね?」というコミュニケーションのきっかけになると考えられて作られたのですよね?

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としお:もうひとつありますよ! 動物とか植物を好きになってもらいたいという気持ちがある。

けいたろう:なるほど。

としお:なので、絵本で知らないものを知ることで友達に「これなんとかだよ」っていうと、「すごいね、よく知っているね!」となって自信になって動物をもっと好きになるんじゃないかというのもあるんですね。

けいたろう:僕、いまでも保育園に週に1回くらいアルバイトで行っているんですけど、保育の現場にいながら絵本を作っていると、“子どもたちが知っている世界のなかでやらなきゃな”っていうのが自分のなかであって。「これ知らないよな、出てきても」って思っていたんですよ。だから自分が絵本を作るときには子どもたちが知っている動物で「キリンでしょ、カバでしょ、ゾウでしょ……」と、そういう風になっているので、“知らない動物をあえて出す”っていうところが、すごく新鮮で。「あっ、そういう広げ方を提案していただいているんだな。嬉しいな」って思いました。

としお:ありがとうございます。

けいたろう:ぼくはこのシリーズで『サバンナのなかまたち』がいちばん好きで。最後の「みんなちかくにいたんだね」という言葉が、夕日の絵とあわさるとすごく素敵で。

うしろにいるの

<後編に続きます>

accototo(アッコトト)
ふくだとしおさん、あきこさんのユニット。絵本、イラスト、デザイン、壁画などを手がける。絵本作品に「うしろにいるのだあれ」シリーズ(幻冬舎)、『めくってごらん ことばのかくれんぼ』(イースト・プレス)、「ポポくん」シリーズ(PHP研究所)、『そんなにみないでくださいな』(KADOKAWA)などがある。 (写真/後藤利江)

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