絵は、おくはらゆめさん!
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絵は、おくはらゆめさん!

〈聞かせ屋。けいたろう〉です。12月7日(火)発売の絵本『あいたい あいたい あいうえお』ができるまでをお話ししています。前回は、僕が絵本の文章を作る過程をお伝えしました。
文章を作る迷走のトンネルを抜けて、ようやく文章がまとまると、ここでようやく一区切り、絵描きさんにお仕事の依頼(打診)をする事になります。
前回もお伝えしましたが、僕は文章作家なので、絵本を作る時は必ず絵を描いていただける方とコンビを組むのです。どなたに絵を描いていただくかは、絵本の内容やイメージによって考えます。今回依頼をしたのは、おくはらゆめさん。そうです、初めてのダミー本の時から絵を描いていただきたいと思っていた方です。
おくはらさんの絵は愛らしく、独特の世界観と空気感があって、僕は大好きなのです。「あいたい あいたい あいうえお」というフレーズを思い付いた時に、すぐさま浮かんだのがおくはらさんでした。
おくはらさんとは、食事に行ったり、家族ぐるみで遊んだりする仲なのですが、今回は仕事ですので、編集者さんを通して依頼をします。当然、受けてもらえるかどうかは分かりませんから、もうドキドキです。
絵本の文章と内容を伝えて、スケジュールなども踏まえて検討してもらいます。結果は……快諾! それを聞いた時は、まずガッツポーズ。そしてすぐに家族に話すくらい嬉しいものです(笑)。
ちょうどその頃、おくはらさんの個展があったのでご本人に会いに行き、今回の絵本について少し話しをしました。登場するのは、人間なのか動物なのか、その舞台となる場所はどういう所なのか、二人のイメージを確認しました。僕が思い浮かべていたのは、人間ではなく動物。おくはらさんも同じでした。動物同士が再開する、待ち合わせ場所のイメージも似ていて、「そうそう!そういう場所!」なんて、思わず声が大きくなったのを覚えています。自分の思いを込めた文章に、おくはらさんの絵が描かれる事を想像すると、絵本づくりの楽しさが倍増しました。
僕らは面識があったので会いましたが、完成するまで文章作家と絵描きさんが会わない事も多いようです。直接顔を合わせて絵本に対して意見を交わすのは、必ずしも良い事ばかりではなかったりもします。でも僕は、おくはらさんの意見やイメージもしっかり受け入れたかったので、早く会って話したかったのです(笑)

後日、ぼくとおくはらさん、編集者さんの三人で打ち合わせをした際、おくはらさんから驚きの提案が! 「登場キャラクターが何匹かいて、それぞれが会いたい子に会いに行くのはどうかな?」と。そして、その動物の名前が冠するのがまた、「あいうえお」なのだそうです。
あ→アナグマちゃん&アミメキリンちゃん
い→イッカクサイくん&イベリコブタくん
う→ウンピョウくん&ウォンバットちゃん
え→エゾリスばあば&エゾリスちゃん
お→オオコノハズクの家族&オカピの家族

おぉ! そんなこと、これっぽっちも思いつかなかった! と、唸る僕。
こんな風にして、文章作家、絵描きさん、編集者さん3人揃っての絵本作りが始まるのです。
しばらくして、おくはらさんからのラフスケッチが届いた時は、すごく嬉しかったです。文章作家としては、ここでようやく絵本が出来るという実感が湧くものです。

おくらはらさん_ラフ-7_1111

おくらはらさん_ラフ-14_1111

ラフスケッチの絵に合わせて、文章を最終調整したりもします。そして、何とタイトルを考え直すことになったのです!
企画の立ち上げからこのときまで約10か月、最初のタイトルは『あいたい きもちが あいうえお』でした。少しして、「ちょっと大人っぽいのでは?」ということで『あのこに あいたい あいうえお』に変わりました。「あの子」が子どもの姿を連想させて、いい感じだと思っていたのですが……。ただ、5組の動物たちが登場することになった今、このタイトルでは不完全だということに気が付きました。
エゾリスちゃんから、エゾリスばあばに向けての気持ちをタイトルと重ねた時に、「あの子に会いたい」はおかしいのです。おばあちゃんを「あの子」とは言いません。話の内容や展開、登場キャラクター、全てに関わるのがタイトルですから、改めてじっくり考えました。
そこでおくはらさんが電話で僕に提案してくれたのが『あいたい あいたい あいうえお』。僕は最初、「それだとしつこくない?」と言いました(笑)。でも、改めてじっくり考えると、本文中にも出てきて、皆の気持ちが一番シンプルに表れているのではないかと思いました。それで、『あいたい あいたい あいうえお』がタイトルに決まりました。

~次回へ続く~


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