子どもの発達お悩み相談室 第4回 「かたくなにオムツでウンコをするんです。来年小学校なのであせります。」
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子どもの発達お悩み相談室 第4回 「かたくなにオムツでウンコをするんです。来年小学校なのであせります。」

みなさまが、小学生以下のお子さまを育てていて、「うちの子ちょっと変わってる?」と思い、お子さまの発達などに関してご心配になっていること、お悩みになっていること、お気づきになったことなどについて、脳科学者の久保田競先生と、その弟子で児童発達研究者の原田妙子先生が児童の脳や発達の最新研究をもとに回答します。

Q4.かたくなにオムツでウンコをするんです。来年小学校なのであせります。

■家族構成
相談者:ドンちゃんパパ(相談したい子の父、40代前半)、妻(30代前半)、長男(相談したい子、5歳)、次男、妻の母

■ご相談
 4歳で家のトイレ(幼児便座)でオシッコができるようになったがウンコはかたくなにオムツにする。5歳になったらトイレですると言っていたが、5歳の現在でもかたくなにオムツにはきかえてする。オシッコはすすんでトイレでするので、トイレ自体が怖いとかではない模様。踏み台も設置してふんばれるようにもしている。保育園ではウンコは一度もしたことがない。以前、トイレでするようにしつこく言ったら3日間ウンコをせず、4日目にオムツでしてもいいよと言ったらすぐにオムツに出した。

 来年小学生になるのにトイレトレーニングが間に合うのかがすごく不安です。早生まれなので、よけいにあせります。

 実は先日、保育園で保育士さんから、とにかく気持ちにムラがあり、場を乱す行動が多い(自分の世界に集中しすぎる、それを注意するとかんしゃくをおこす)、自由奔放だと言われました。保育士さんの言うことをちゃんと聞くようにきびしく言っているが効果はありません。

A.専門家の回答

その子なりの理由があることを認めてあげよう。
 息子さん、3日間もウンコを我慢してたなんて、逆にすごいですね。パンツにはしなかったわけですから、パンツにウンコをしてはいけない、というトイレトレーニングの基本はきちんとできていたんですね。すばらしいことです。まずはそこをほめてあげましょう。

 実はトイレトレーニングについては、親が干渉しすぎると、よけいに手こずることが多いのです。小学校高学年になってもオムツ、なんて子はいないので、もう少しおおらかに見守ってあげた方が、結局は早くトイレでできるようになると思います。

 ドンちゃんパパからすると、「どうしてオシッコはトイレでできるのに、ウンコはできないの?」とじれったく思われるでしょうけれど、息子さんは、息子さんなりの何か言葉にはできない不安な気持ちがあるのでしょう。「体から便が離れるのが心配」でなかなかトイレで大便のできないお子さんもいました。

 来年小学生になるのに、トイレトレーニングがいつまでたっても卒業できないのでは、と心配されていますが、朝や帰宅後に、オムツにはきかえてトイレで座って用を足してもいいのではないでしょうか。この習慣を繰り返すうちに、ウンコもトイレでするもの、というルール作りが頭の中でできて、そのうちにオムツなしでもトイレでできるようになると思います。私たち大人もトイレを見ると、条件反射でトイレにいきたい気持ちになったりするものなので。

 オムツを取り上げて禁止するという大変なシチュエーションを作ると、かえって排便にまつわるトラウマができてしまいます。大事なのは本人が気持ちよく排便することです。そして1回でもトイレでできたら、少し大げさなくらいにほめてあげてください。スモールステップで、できることから一歩ずつです。

幼児期に親に受け入れられた経験が大事
 ところで、ご相談で少し気になったのですが、保育士さんから、場を乱す行動が多いと指摘されたのですね。これから小学校へ入り、より多くのお子さんと行動することが増えるため、外でのお子さんの行動がどんなものなのか、知ることができたのは、良かったと思います。

 その上で「先生の言うことをちゃんと聞くように厳しく言ってるが効果がない」とありますが、息子さんは何が悪いのか具体的に理解できていないのかもしれません。大人が見れば理解できることは、子どもが見れば理解できることと、イコールではありません。厳しく言って効果がないのでしたら、できた時に何がどのようにできたかをきちんと説明しながらほめてみてはどうでしょうか。自分がやりたいことをこらえて、みんなと一緒にできたとか、少しでもできたら「みんなと一緒に行動できたね!えらかったね」などと見逃さずに大げさにほめるとか。自分がちょっと我慢したらほめられるんだ、とわかれば、息子さんはもっと自制できるようになりますよ。

 そうやってポジティブな関わりで自制心をうまく育てていくことがとても大切です。親や先生が喜んでほめてくれれば、息子さんもうれしくなってどんどんいろんなことができるようになります。「ちゃんと君のこと見てるよ」「できなかったことができるようになるとパパもうれしいよ」という姿勢でいることで、親子関係がより良いものになっていきます。良い親子関係が築けていれば、いけないことをして、たしなめた時に、「大好きなパパから怒られた」と思ってシュンと反省するはずです。そして、次に同じことはしないようにしよう、と考えるのです。

 ドンちゃんパパ、小学校入学を控えた今がドンちゃんとの親子関係を見直すチャンスですよ! 息子さんのことを怒ってばかりいて認めてあげないと、ドンちゃんは自分は誰にも愛されないと思い込んでしまい、自己肯定感が持てなくなってしまいます。するとこの先、思春期、青年期になって、幼い頃に親に受け入れてもらえなかったという悲しい気持ちが、登校しぶりや暴力、精神疾患などといった歪んだ形で出てくるかもしれません。

 実際、思春期の問題の根っこが幼児期にあるケースは非常に多いのです。幼児期こそ、子どもにとって、親はガミガミと怒る怖い(あるいは口うるさい)だけの存在ではなく、自分の良いところに気づいて受け入れてくれる、安心できる場所なんだと思わせることがとても大切なのです。

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久保田競先生
1932年大阪生まれ。
東京大学医学部卒業後、同大学院で脳神経生理学を学ぶ。米国留学で最先端の研究を身につけ、帰国後は京都大学霊長類研究所で教授・所長を歴任。
『バカはなおせる 脳を鍛える習慣、悪くする習慣』『天才脳を育てる3・4・5歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』等、脳に関する著書多数。

原田妙子先生
福岡大学体育学部修士課程卒業後、久保田競に師事し博士号取得。海外特別研究員としてフランス国立科学研究センター(College France CNRS)認知行動生理学研究室、パリ第六大学 脳イメージング・運動制御研究室を経て、現在は浜松医科大学 子どものこころの発達研究センターの助教。専門は子どもの脳機能発達。

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