怪盗レッド スペシャル

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怪盗レッド スペシャル 第10話 初代怪盗レッドの活動記録

怪盗レッド スペシャル 第10話 初代怪盗レッドの活動記録

今回は、アスカとケイが、父親のPC上で、初代怪盗レッドの活動記録を盗み読みするお話。  1 「ケイ、そのパソコンどうしたの?」  土曜日の午後2時。  わたしは、家のリビングで、ノートパソコンを使っているケイに声をかける。  いつもは、部屋においてある自分のパソコンを使っているのに、リビングにいるし、さわっているのが、見かけないパソコンだから、気になったんだよね。 「……父さんに借りた」  ケイが、パソコンのほうを向いたまま、こたえる。 「圭一郎(けいいちろう)おじさんか

怪盗レッド スペシャル 第9話 宝条有栖のちょっとした日常[下]

怪盗レッド スペシャル 第9話 宝条有栖のちょっとした日常[下]

今回は、前回にひきつづき、天才小学生画家・宝条有栖ちゃんのお話! 画家であり、泥棒組織「ラドロ」の本部にも出入りをし、幹部同然のあつかいを受けている有栖ちゃん。 ある日、ラドロを追い出されるほど、たちの悪い泥棒の一味が、クラスメイトの西園寺さんの家を狙っていることを知って……!?    *****  ――深夜の1時。  わたくしは、西園寺家のお屋敷(やしき)の庭の木のかげにかくれていた。  サクスの調査とわたくしの分析により、問題の泥棒グループが西園寺家に忍(しの)びこむ

怪盗レッド スペシャル 第7話 「夏の夜の夢」のうらがわで

怪盗レッド スペシャル 第7話 「夏の夜の夢」のうらがわで

今回は、『怪盗レッド』18巻のサイドストーリーだよ。 ネタバレがあるので、まだ読んでいない子は気をつけてね!  1 「はあ~あ」  わたし――瀬川水夏(せがわみなつ)は、演劇部(えんげきぶ)の部室のイスにすわって、大きくのびをする。 「副部長って、こういう報告書を書く仕事が多いんだって、副部長になって初めて知りました」  正面の席で、わたしと同じように書類に向かう加瀬(かせ)部長が、おっとりとした笑みをうかべる。 「そうなのよね。生徒会への報告書とか、機材の貸し出し申請(

怪盗レッド スペシャル 第8話 宝条有栖のちょっとした日常[上]

怪盗レッド スペシャル 第8話 宝条有栖のちょっとした日常[上]

今回は、天才小学生画家・宝条有栖(ありす)ちゃんのお話! 有栖ちゃんが登場するのは、『怪盗レッド』13巻。すごく個性的な大人気キャラだから、まだ読んでいない子はぜひチェックしてみてね!    *****  真っ白な壁に、落ちついた赤色の屋根の建物。  校舎としては、ずいぶんとおしゃれな作りで、まさに、「有名なお嬢様学校のシンボル」らしいわ。  そして、この建物の美しさが、わたくし――宝条有栖(ほうじょうありす)が、学校(ここ)に通うことに決めた、理由の1つでもある。  こ

怪盗レッド スペシャル 第5話 マサキの“なにごともない”休日[後編]

怪盗レッド スペシャル 第5話 マサキの“なにごともない”休日[後編]

  1  スーツ姿の人間が、たくさん行きかうビジネス街。おれは、その道を歩いていた。  もちろん、変装はしている。  ダークスーツ姿に、ブルーのネクタイをしめて、まわりからは、20代くらいの若手サラリーマンに見えるはずだ。 この手の変装なら、何度かしたことがあるから、ふるまい方もわかっている。 「……ここか」  おれは、とあるビルの前で立ち止まる。  目の前にあるのは、30階建ての、このあたりでは目立つ高さのビルだ。  見上げると、窓ガラスに光が反射(はんしゃ)していて、ま

怪盗レッド スペシャル 第6話 怪盗レッドの家族写真

怪盗レッド スペシャル 第6話 怪盗レッドの家族写真

   *****  大通りを横に入って、小道を先にすすむ。  見えてくるのは、1軒(けん)のお店。  店の中には、明かりがともっている。  近づいていくと、窓越(まどご)しに、めずらしいデザインの、カップやランプなどが見える。  ここは、美華子(みかこ)さんが趣味でやっている、輸入雑貨屋(ゆにゅうざっかや)さん。  わたしとケイは、今日は美華子さんにさそわれて、美華子さんのお店にやってきたんだ。    カランカラン  木製のドアを開けると、ドアについたベルが鳴る。 「は~い

怪盗レッド スペシャル 第4話 マサキの“なにごともない”休日[前編]

怪盗レッド スペシャル 第4話 マサキの“なにごともない”休日[前編]

 1  高級マンションのキッチン。  おれは、そのキッチンに立っている。  夜中に帰ってきた、恭也(きょうや)様の食事を作るためだ。 「あ~~今日も疲れたよ、マサキ」  リビングのソファに、大きく足を広げて腰を下ろした恭也様が言う。 「おつかれさまでした。すぐに食事の準備をするので、少々お待ちください」  最近の恭也様は、日本中あちこちをまわって、〝調査〟をしているらしい。  らしい、というのは、おれは同行を許されていないからだ。  恭也様の師匠であり、先代の「怪盗(かい

怪盗レッド スペシャル 第3話 宇佐見桜子のメッセージ

怪盗レッド スペシャル 第3話 宇佐見桜子のメッセージ

「あ~~どうしよう……」  あたし――宇佐美桜子(うさみさくらこ)は、自分の部屋のベッドの上で、スマホの画面とにらめっこしていた。  時間はすでに、深夜1時。  スマホに起動しているのは、トークアプリ。  ふだん、このトークアプリは、大学の研究室の人たちとの連絡用にときどき使っているだけ。  そんなアプリを、あたしがこんな時間に開いているのには、理由がある。  2週間ほど前に、あたしは、ある大事件に巻きこまれた。  正確には大事件になりそうだった事件、というほうが近いか

怪盗レッド スペシャル 第1話 アスカのあったかい年末

怪盗レッド スペシャル 第1話 アスカのあったかい年末

「うわぁ、やっぱり混んでるなぁ!」  わたしは、商店街の入り口までやってきて、人混みに声をあげる。  今日は12月31日。  大晦日(おおみそか)だけあって、みんな買い物にきているみたい。 「寒い…… アスカ、早く買い物をすませよう」  ダウンジャケットにマフラーをぐるぐる巻きにしたケイが、首をすくめながら言う。  今日は、いちだんと冷えて、雪が降りそうなぐらい。  商店街にやってきた人たちも、足ばやになってる。  わたしは、寒さはぜんぜん、気にならないんだけどね。  今

怪盗レッドス ペシャル 第2話 「2代目レッド」が始まる前のこと

怪盗レッドス ペシャル 第2話 「2代目レッド」が始まる前のこと

◆アスカside 「「合格おめでとう!」」 コン と、わたしと実咲(みさき)は、ジュースの入ったコップで、乾杯する。  小学校の卒業式も終わって、3月も後半。  春休み中のわたしと実咲は、わたしの家で、ちょっとしたお祝いをしているところ。  春(はる)が丘(おか)学園中等部からの合格通知は、1カ月ぐらい前にもらっていた。 だけど、小学校の卒業式があったり、新入学の準備があったりで、ちゃんと合格祝いができてなかったんだ。  それで、やっと今日、実咲とお祝いしてるっていうわけ。